ちょっと太めの猫のようなその女の子は、他のヴォーカリストの例に漏れず、プロデューサーによって選択された僕の演奏を、ミキシングのブースで聴いていた。ピアノのイントロが流れ、彼女の歌が流れ出すと、僕の音楽的な性感帯に電流が走った。滑りつくような、濡れたニチャっというリップノイズと、舌ったらずな滑舌、オレンジや蜂蜜や葉巻の香りがする声。走り追えたばかりの子供のような、腹式呼吸による吐息。僕は図らずも、ヘッドフォンをしたまま、ちょっとだけ勃起してしまい、かなり焦りながら、何とか至福の時間を終えた。心の中で(これはヤバい。ヤバいな)と無駄に反復しながら。
録音ブースを出て、床に直接座って手を叩いているその子に名を訪ねると「チャラのすけでぃ〜す」と、目の前にピースサインを押し付けながら、身体をくねらせて言った。これが後のcharaである。
録音ブースを出て、床に直接座って手を叩いているその子に名を訪ねると「チャラのすけでぃ〜す」と、目の前にピースサインを押し付けながら、身体をくねらせて言った。これが後のcharaである。